続報:
本記事は、以前掲載した「🛸 地球の影に何かいる」の続報です。同じ研究チームが開発した「地球影を使った探査手法」を、1950年代の歴史的天体写真に適用したところ、驚くべき発見がありました。
70年の沈黙を破る新研究
ストックホルム大学のNordita研究所が、科学界を震撼させる研究結果を発表した。1950年代に撮影された天体写真に記録された10万6000個以上の「謎の閃光」を分析したところ、人類の核実験とUFO(UAP)目撃報告との間に、統計学的に無視できない関連性が発見されたのである。 この発見が持つ意味は計り知れない。なぜなら、これらの写真が撮影されたのは、人類初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられる1957年より前──つまり、地球周回軌道上には人工物が一切存在しないはずの時代だからだ。

核実験の翌日、空に異変が
研究チームのベアトリス・ビジャロエル博士によれば、分析の結果は驚くべきものだった。
「謎の閃光現象は、核実験が行われた翌日に68%も発生確率が高まることが判明しました。さらにUAP目撃報告との間にも統計的な相関が見られ、これらの現象が同時に発生すると、閃光は通常の2倍以上に跳ね上がるのです」
なぜ核実験の「翌日」なのか? この時間差が何を意味するのか──研究者たちも困惑を隠せない。
ヴァンダービルト大学のスティーブン・ブルール氏は語る。「これほど明確な相関関係、そして核実験の『翌日』という非常に特定的なタイミングは予想外でした。これが何を意味するのか、さらなる調査が必要です」
地球の影に「それ」はいた!
さらに不気味なのは、地球の影に関する発見だ。
研究チームが地球の影の領域を調べたところ、謎の閃光は影の中では3分の1も減少していることが判明した。太陽光の反射が原因だとすれば、これは理にかなっている。
しかし問題はここからだ。研究者たちが指摘するのは、通常の宇宙物体──小惑星や宇宙塵──は球形であり、50分間の露光時間では「筋」として写るはずだという点だ。瞬間的な閃光として記録されるためには、物体は「極めて平坦で、極めて反射率が高い」ものでなければならない。
「小惑星や宇宙塵のような球形の物体からは、このような太陽光の反射は得られません。50分の露光中に筋を残すだけです。短い閃光が生じるのは、何かが非常に平坦で、非常に反射率が高く、太陽光を短時間だけ反射した場合のみです」とビジャロエル博士は語る。
ワシントンUFO乱舞事件との符合
そして、この研究が指摘する最も興味深い発見がある。
1952年7月27日の天体写真に、複数の閃光が一直線上、あるいは狭い帯状に並んで記録されていたのだ。これは平坦な反射物体が移動していることを示す典型的なパターンである。
そしてこの日付は、歴史上最も有名なUFO事件の一つ「ワシントンUFO乱舞事件」が起きた日と完全に一致する。
1952年7月19日と27日、アメリカの首都ワシントンD.C.上空で、前代未聞のUFO騒動が発生した。いわゆる「ワシントンUFO乱舞事件」である。
7月19日午後11時40分、ワシントンナショナル空港の管制塔が不審なレーダーコンタクトを捕捉。ホワイトハウスと連邦議事堂の真上を何かが飛行していた。アンドリューズ空軍基地もこれを確認。管制官や旅客機パイロットたちは、異様な動きをする白やオレンジの光を目撃した。
空軍のF-94B戦闘機が緊急発進したが、戦闘機が接近すると「それら」は一斉に消失。戦闘機が燃料切れで引き返すと再び現れた──まるで無線を傍受して戦闘機を回避しているかのように。
一週間後の7月26日夜、事態はさらに深刻化する。
旅客機の乗員が上下左右に不規則に動く「異様な光体」を目撃。レーダーには計算上時速1万キロを超える物体が捉えられた。発進した戦闘機のパイロット、ウイリアム・パターソン中尉は「4つの光体が機体を取り巻くように飛んでいた」と証言。アンドリューズ基地の通信員たちは「オレンジ色に輝く巨大な球体」を目撃した。
夜明けとともに、レーダーコンタクトも光体も消えた。ペンタゴンには問い合わせが殺到し、回線はパンク状態となった。
空軍は記者会見を開き、「逆転層による気象現象」であったと説明した。しかし、その説明に納得しない者も多かった。

天体写真が捉えていたもの
そして今回の研究が明らかにしたのは、この7月27日の夜、ワシントンD.C.で「何か」が目撃されていたまさにその時、遥か上空では天体観測用の写真が一直線に並ぶ謎の閃光を記録していたという事実である。
研究論文は、人類初の人工衛星打ち上げ以前の地球軌道上に、地球外由来の人工物が存在した可能性を探るものだった。そして1952年7月27日の天体写真は、その「2つの興味深い例」のうちの1つとして特定されたのである。
偶然では説明できない
今回のストックホルム大学の研究は、統計学という冷徹な数学を用いて、かつて「ノイズ」として無視されてきた現象に光を当てた。
核実験とUFO目撃、そして天体写真の謎の閃光──これら三つの現象が統計学的に相関している。そして1952年7月27日、ワシントンD.C.でUFO騒動が起きたその夜、天体写真には一直線に並ぶ閃光が記録されていた。
「ノイズだと思われてきたものの中に、本物の現象の集団が存在するようです。それらは核実験やUAP目撃報告と相関し、地球の影の中では減少します。このような太陽光の反射は、小惑星や宇宙塵のような球形の物体からは得られません。何かが非常に平坦で、非常に反射率が高く、高軌道上で太陽光を短時間反射していたとしか考えられないのです」とビジャロエル博士は語る。
封印されていた真実
長年、天体写真上の小さな光点は「写真の欠陥」として無視されてきた。しかし今回の研究により、それらの中には実在する物理的物体からの反射が含まれていた可能性が示された。
少なくとも3分の1の閃光は、地球の影の中で消えることから、太陽光を反射する何かによるものだと考えられる。そしてそれは、球形ではなく、極めて平坦で反射率の高い物体でなければならない。
人類が核の火を手にした1950年代、空には「何か」がいた。
それは核実験と統計的な相関を示し、UFO目撃報告と連動し、そして天体写真という動かぬ証拠の中に痕跡を残していた。
1957年以前、人工衛星が存在しない時代に、地球の高軌道を飛行していた極めて平坦で反射率の高い「何か」──この事実をどう解釈するべきなのか。
研究チームは現在、さらなる調査を進めている。70年前の空に何がいたのか、その答えが明かされる日は近いのかもしれない。
【参考文献】
歴史的な天文観測における予期せぬパターン
https://www.su.se/english/news/unexpected-patterns-in-historical-astronomical-observations-1.855042
Scientific Reports (Nature Portfolio) 掲載論文
https://www.nature.com/articles/s41598-025-21620-3
Publications of the Astronomical Society of the Pacific 掲載論文
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1538-3873/ae0afe
プロジェクトVASCO (Vanishing & Appearing Sources during a Century of Observations)
https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2020AJ....159....8V/abstract
ワシントンUFO乱舞事件記録
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3UFO%E4%B9%B1%E8%88%9E%E4%BA%8B%E4%BB%B6