
NUFORC(読み:ニューフォーク)は、UFO・UAPの目撃情報を24時間365日受け付ける米国の民間非営利組織。正式名称は National UFO Reporting Center、日本語では「全米UFO報告センター」。創設は1974年で、2024年に50周年を迎えた。報告は公式サイトのフォームから投稿できるほか、創設当初のホットライン(電話受付)も継続中。空で見た「奇妙な何か」を共有できる場として、目撃者の精神的な支えにもなっているだろう。
NUFORC(全米UFO報告センター)
NUFORCの歴史は、1974年に消防士ロバート・グリブルが自宅の黒電話をUFOホットラインへ改造した瞬間から始まる。以来半世紀、センターは市民やパイロットから寄せられる通報を年中無休で受信・記録し、即座にウェブで公開し続けてきた。
現在の舵取り役は、生物学者ピーター・ダベンポート(スタンフォード大学・ワシントン大学卒)。彼が1994年に所長を引き継いで以降、データベースは18万件超に膨張し、世界最大級の民間UFOアーカイブとなった。公開データは統計分析や地図可視化にも活用され、UFO/UAP研究の出発点として欠かせない存在だ。
もっとも、匿名証言ゆえにノイズが多く科学的裏付けに乏しいと批判されることもある。これに対しNUFORCは4段階の信頼度ラベルを導入し、スターリンク衛星など典型的な誤認例をリストアップするなど精度向上に努めている。
政府や他団体から距離を置く独立性もセンターの特徴だ。こうした姿勢が功を奏し、「フェニックスの光」(1997)、「シカゴ・オヘア空港UFO事件」(2006)、「スティーブンビルの光」(2008)といった歴史的事例の一次証言も多数集約。電話一本から始まった小さなホットラインは、いまや未確認現象研究の“公的メモ帳”として、世界の空を見上げる人々を結びつけている。
