ソビエト異次元UFOウェイブ1989――空飛ぶ透明棺桶/森に現れた巨大キノコ/湖に立つ謎の棒状物体/割れた球体と赤い服の女/球体に浮かんだ女性の顔/シベリア石化事件

#4 割れた球体と赤い服の女

子どもたちの前に現れた球体は二つに割れ、中から不気味なヒューマノイドが出現した

 1989年6月6日、ハロフスクからほど近いコナンツェボ村で、ヴォロネジ事件を思わせる怪異が起きた。川遊びを終えた7人の小学生が村のはずれを歩いていた時、一番年下のサーシャ・クラサヴィンが、澄んだ空にきらめく小さな星を見つけて指さした。

 その星は瞬く間に大きくなり、やがて直径4メートルほどの球体へと姿を変えた。あまりに異様な光景に、3人の子どもは恐怖のあまり逃げ出したが、残された4人はさらに奇怪な体験をすることになる。

球体が割れて現れたもの

 転がるように茂みに落ちた球体は、地面で止まると「パカッ」と音を立てて二つに割れた。そこから現れたのは、頭部のない平たい体、ほとんど地面に届くほど長い腕、異様に長い脚、そして胸に光る小さな球を持つヒューマノイドだった。

 それは腕も足も曲げることなく、ぎこちない動作で歩き始めた。まるで生命体というより、無機質な機械仕掛けの存在のように見えたという。

赤い服の女

 呆然と立ち尽くす子どもたちの目の前に、次の球体が降下し、同じように割れて中からヒューマノイドが姿を現した。

 その時、突然現れたのが赤い服の女性だった。彼女は恐れる様子もなく、むしろ穏やかにヒューマノイドへと歩み寄っていった。子どもたちはその光景に息を呑み、後に「あの人は怪物を恐れていないように見えた」と証言している。

 しかし、次の瞬間、女性とヒューマノイドの姿は同時にかき消えた。再び現れた女性は恐怖に引きつった表情を浮かべ、悲鳴を上げて茂みの中へと駆け込んでいった。あの短い間に何が起こったのかは、誰にもわからない。

続く球体

 さらに3つの球体が次々と現れ、最後のひとつを除き、すべてが割れて同じようなヒューマノイドを吐き出した。

 その光景を見届けた子どもたちはようやく正気に戻り、この異常な体験を大人たちに伝えようと村へと走り出した。彼らの目に映ったのは、まさしく常識を超えた怪現象だった。

#1 空飛ぶ透明棺桶
#2 森に現れた巨大キノコ
#3 湖に立つ謎の棒状物体
#4 割れた球体と赤い服の女
#5 球体に浮かんだ女性の顔
#6 シベリア石化事件